このレビューはネタバレを含みます
父の過去の過失の為に、家族が恐怖に陥れられる話。
最初は何でもない絵なのに、奇妙な音楽と、突き放したような映像で、不安を掻き立てて来る。
嫌な映画、と思ったが、ギリシャ神話(神の怒りによる、家族の全滅を避ける為に、生贄の娘の代わりに、鹿を差し出す)を現代劇に置き換えた所(姉の代わりに別な者を生贄にする)もあるらしく、監督の母国のギリシャでは、よく知られてる神話らしい。
父の過失のための因果応報とも言えるのかもしれない。
終盤の、段々みんなが酷くなっていくのと、殺す所が凄まじく、やはり、この監督は趣味の悪い人なのかと思った。
目隠しして、殺す人を選ぶのが、ミヒャエル・ハネケ監督の、「ファニーゲーム」ほど酷くはないが、ちょっと、そういう感じもあった。
かなり嫌な話だが、よく出来ているとも。
ヨルゴス・ランティモス監督の作品をまた観た、「哀れなるものたち」が最もいいように思う(2024.5.4)。