このレビューはネタバレを含みます
名作だと言われているけど、観たことがなかった。
原作を読んだので観ることにした。
4時間弱だけど、長さは感じられず、原作のいくつかは端折られて若干ダイジェスト版に思えてしまうが、この時間内でよくまとまっている。
でも、欲を言えば物足りない…
スカーレットは南北戦争後の貧しい暮らしで、食べ物を得るため、妹の愚痴もはねのけ、言われてやったことしかできない黒人たちにイライラしながらも自分自身が行動していた。
嫌われてももう貧しい暮らしに戻りたくない一心で。
もっと商売に執着して奔走しており、周囲にもとても嫌われていた。妊娠中に商売で馬車に乗りながら奔走するため、はしたないと。
そういうスカーレットの時代に合わない行動力がもっと原作にはある。
映画では、黒人の奴隷制度については、あまり詳しく触れられていない。
問題になるからさらりとすませていたのかもしれない。
スカーレットは、最後の最後に大事なことにようやく気付く。
メラニーに敵対心をもち、死ねばいいのにとさえ思っていた。だけど、最後メラニーが死ぬ時にやっと気付く。
メラニーのことが大好きだと。
(メラニーは本当にいい人で、スカーレットがどんな理由にせよ、自分のためにたくさん頑張ってくれたことに感謝していた。他の行動力のない人たちは文句ばかり言ってスカーレットに感謝しない)
アシュリーを王子様のように幻想しており最後に気付く。
実は幻想のアシュリーが好きだっただけ。
(私自身は最初から最後まで「アシュリーなんかどこがええねん?」だったけど!)
このメラニーの死とアシュリーとのやり取りシーンを見ていると、「アシュリーは私のものになるのね」とメラニーが死んだ時にスカーレットが思ったように見えないだろうか?
スカーレットは、メラニーが死んで初めてメラニーが大好きなのだと気付いたのに。
そして、スカーレットが本当に愛していたのはレットだった。
スカーレットは、理想化したアシュリーを追いかけ続けて、本当の愛を知ることができなかった。
スカーレットの高慢なところが原因で、最後の最後に跳ね返ってくる。
もっと早く気付いていたら…
自業自得なんだけど、かわいそうに。
ラストシーンは、スカーレットの根性の強さ。
気持ちを入れ替えて、頑張って、またその行動力で取り返せたらいいのにな。