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電影少女(ビデオガール) VIDEO GIRL AIのtakのレビュー・感想・評価

3.0
白状する。僕は坂上香織のファンだ。でも正直なところ露出が多くなってから好きになったし(恥)、とどめは「ウルトラマンコスモス」のシノブリーダーだった😅。真弓倫子共演の「卍」やらVシネ「ヤンママトラッカー」シリーズやら主演作を探してはあれこれ観た。彼女が演じてきた気丈な女性たち。そのかっこよさもあるんだけど、なーんか包み込むような母性としなやかな女性の強さを感じる。しかし、僕は坂上香織がアイドルだった頃をほとんど知らない。「キテレツ大百科」のエンディングテーマだった「レースのカーディガン」くらいしか歌も知らない。今頃になって、じゃアイドルしてた頃の映画を観てみよう、という気になったのだ。長い前置きだな。

「電影少女」は少年ジャンプで連載していたコミックが原作。我が生涯で最もコミック離れしていた頃だから当時は読んだことがなくって、最近つまみ食いした程度。

女の子に「好き」と言えない主人公洋太は、片想いのもえみが親友のタカシのことを好きだと知り、落ち込んでいた。帰りに初めて目にしたレンタルビデオ店で「なぐさめてあげる」と題されたビデオを手にする。再生するとテレビ画面から不思議な少女あいがやってきた。恋を成就させようと努力してくれるあい。男言葉でまくしたて、世の中のことを知らないあいに振り回されるが、次第に洋太はあいに恋心を抱くようになる。そしてあいも愛情という感情を初めて感じることに。だがその感情はビデオガールとしては持ってはならないものだった。

主人公大沢健の、ダブダブでモノトーン多めのファッションに80年代の香りを感じてしまう。それはともかくビデオのパッケージには「やさしくておしとやか・・・」とあったのに、実際に姿を現したあいは一人称で「オレ」を使う。世間のことは何も知らないから静かな喫茶店で「セックスって何だ?。今度やってみるか?」などと言う。

坂上香織の啖呵(たんか)を切るような台詞の数々が、舌たらずなしゃべりなもんだから、なんとも言えずきゃわいい。でも10数年後にこういう台詞をもっとビシビシ決めるようなヤンママトラッカーになるなんて、誰も想像してなかったろうな。

保坂尚輝演ずるタカシが妙にかっこいい。「初めてのキスは大事にするもんだぜ」なかなか言えないぞ。

この手のファンタジーって、現実離れした状況をいかに自然に登場人物が(観客もだが)受け入れるかが、映画の巧さだと思う。突然テレビ画面の女の子と会話するのも、突然「もえみとつきあえ」と言ってくる知らない女の子をタカシが「お前誰?」とも言わないのもちと強引ではある。それでもラストは素晴らしい。あいとの記憶を消去される運命だが、洋太は「忘れたりするもんか!」と叫ぶ。おーっ「エターナル・サンシャイン」みたいじゃん!けっこう好きだ、この映画。それにアイドル坂上香織もよかった♡
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