たも

交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱいのたものレビュー・感想・評価

4.5
 正直に言って一回視聴しただけではメッセージ性を全て紐解けるほどの知識を私は持ち合わせていませんでした。
 エンタメとしてストーリーが面白いか? そう聞かれると首を縦に振るのを躊躇うのも事実です。

 それでもかなり面白かった!!!

 どうして面白いと思えるのか不思議なものですが「本作の大ファンだから」という言葉に尽きてしまいそうです。

 何故面白いと思えたのかどうしても言葉にするなら本編を掛け合いに出さなきゃ出来そうにありません。

 もしエウレカを知らない人が見たら「なんじゃこりゃ」ってなりそうですね(笑)

 この作品の鑑賞方法。
 いわゆるサイドストーリーや、番外編として今作を楽しむことは出来ません。
 まったく別の世界の話として捉えていかなければ、満足することはないと思われます。
 いわゆるパラレルワールドです(Aoや新劇場版と同じく)


※以下ネタバレを含みます※


 本作の設定がところどころで本編とは真逆になってることが多いなーと感じました。
 例えばドミニクは敵ではなく恩師になっていた事から始まり
 レントンは英雄の息子ではく、ドーハの悲劇の首謀者(?)の息子として疎まれる存在になっていた事。
 アネモネは精神異常をきたした存在ではなく賢者のような素振りになっていた事。
 デューイは収容されず英雄として死んでいる事。
 ハップとストナーの悪人化(個人的に月光号のクルーはみんな好きだけどこの2人は特に好きなキャラだから変化が嬉しかった、そのほかのメンバーは空気だったけど(笑))。
 議会のおばさんが首謀者みたいな立場ではなく観察者に。
 パッと見た感じはこれくらい、まずこの発見をしてゆくのがめちゃくちゃ楽しかった〜。

 設定でデューイの名前がノバクじゃなくなっていたのは引っかかる。ネバーランドに幼児を集めるという単語なんてマイケルジャクソンそのままじゃん!っと思うと笑けました。
 ドーハの悲劇はどう考えてもサッカー日本代表がワールドカップ初出場を逃した事件の名前だし、オマージュ健在だなあ(笑)

 最後のホランド戦ではフィンファンネルまで使ってたし!!キュベレイ!!

 謎の部分が多いのも事実、太陽光に当たることができないっていう設定はどいうこと? とか、妖精ってなんぞ? とか、タルホが子供を身ごもっていたけど残りの生きれる時間は7日になる薬を打ってなかったけ?
 それにテーマがたくさん盛り込まれていて、正直どこに手をつけていいのやら分からずに気持ちが置いてけぼりになりました。
 それを差し引いても、「未来」「神話」なんて重すぎるテーマを、元から出来上がった傑作を取り壊して、礎を再構築して、よくもこのクオリティの作品が出来上がったな!すげえ!っと素直に感服しました。

 1番感動したのはレントンとエウレカの関係をまた観ることができたことだったかもしれません。
 レントンとエウレカが幼馴染ってとこも燃えるし、幼少期は2人とも可愛い。
 5年後からのレントンは初めから大人でカッコいいし、エウレカは本編より感情移入しやすい上に言動が女の子っぽくて可愛い。可愛い。
 とにかく面白かったです!!!

 評判が悪いから敬遠してましたが、ファンなら間違いなく観て損なしの一作になってます!
 新しい映画の楽しみ方!
たも

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