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うなぎのvivoのレビュー・感想・評価

うなぎ(1997年製作の映画)
4.0
自分の罪や過ちを認めるには、それを含めた自分を愛してくれる人達が必要なのだろう。そして、自分の汚さを知る人は、汚い人を愛せる。うなぎのエピソードが物語るように、人は、清らかなものとして生まれ、泥の中で汚く生きてゆくものなのだろう。だから、生きていれば汚くなることが当然なのに、できるだけ生まれた時の清らかさを保とうとしてしまう。汚くあることを恐れなくなった時、人は初めて自由になれるのかもしれない。清らかでなければならない仮出所というシチュエーションに、一見醜い性欲に執着する二人の男女の姿が重なり、人間の「生の汚さ」が浮き彫りになる匠な作品。個性と実力を兼ね備えた役者たちが、喜劇と悲劇が絶妙にミックスされた日常感のある世界を見せてくれる。
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