X-Menシリーズ3作目
原題:X-Men:The Last Stand
ミュータントへの理解が深まりつつある中、依然としてミュータントへの不信感を持つ人間も少なくなかった。チャールズ・エグゼビア教授は来るミュータントへの脅威に備え恵まれし子らの学園では常に教育と保護そして戦闘訓練を施していた。一方行方の掴めなくなっているマグニートーことエリック・レーンシャーを追っていたアメリカ政府は彼の右腕であるミスティークを捕らえることに成功、ミュータント省のハンク・マッコイの協力の元エリックを見つけるために動いていた。そんなある日ワージントン社のウォーレン・ワージントン卿は突然変異で翼の生えてた息子を救うべく10年の歳月を費やし、ミュータントのX因子に効力のある薬キュアを開発、ミュータントは病気の一種という見解を示しミュータントの薬として発表。これにより再びミュータントの立場が揺らぐ中チャールズとエリックは再びミュータントの権利のために立ち上がるのであった....
そしてミュータントと人間の双方を揺るがす脅威が近づこうとしていた....
X-Menシリーズ第3弾。前2作から制作に時間が空いての公開となり監督もブライアン・シンガーが『スーパーマン リターンズ』の撮影のため降板しジェームズ・マースデンを連れていったためサイクロップスの登場時間も大幅に削られている。監督変更によりそれまでの重厚な感じとは変わり少しマイルドにコミカルになった印象。アメコミ映画としてのワクワク感があってこれはこれで良いが、とにかく薄っぺらい。ジーンの復活やスコットの退場、ブラザーフッドの雑魚感と言い何か物足りたさを感じる。イアン・マッケランのマグニートーも前2作と比べて何か物足りないというかヴィランとしての動機や説得力がイマイチ伝わらない。前2作から通して見れば決して分からない訳ではないが、やってることが小物ぽいというか、ただ人間キライな悪役って感じにとどまっている。新キャラクターも多くモーロックスやビーストなど印象に残るキャラはいるもののX-Menの最終決戦にしてはメンバーが少し弱い。原作最強ヴィランのダーク・フェニックスに関してもチャールズを殺めた所がピークで意外とあっさりウルヴァリンに倒されてしまう。そして何より今までの主人公だったローガンが薄い。ヒュージャックマンのカリスマ力で何とかなっているものの前2作と比べるとやはりローガンの印象が薄い。ミュータントとしての苦悩を抱えるローグも自ら選んでキュア治療を施しボビーに触れることが出来るという三部作通してのゴールは設けられているが、やっぱりパンチに欠ける。大丈夫、ローグにはこれからガンビットが現れるはずだよ!
カリスト対ストームやパイロ対アイスマンといった因縁対決が見れたり、キティとジャガーノートの逃走劇など画としては面白く、かっこいいビーストも見れたりとビジュアル面では記憶には残るものの、とにかく薄い味付けのX-Menに仕上がっているように感じる。悪くはないが物足りない。そんな映画だった。
そしてアメコミ映画のお約束のポストクレジットが本作辺りから使われるようになっていき、本作では木っ端微塵となったチャールズがモイラに声をかけ、復活が示唆される所で物語は幕を閉じる。
モーロックスやリーチ(ビジュアルは映画ではただの男の子)の掘り下げも見てみたい所ではある。
〜時系列〜
1944年
エリックの突然変異が現れる
(『X-MEN』)
↓
1986年
チャールズとエリックがジーンに出会う
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
↓
1996年
ワージントンが息子のためキュアの開発に着手
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
↓
XXXX年
ストライカーの実験でローガンが記憶を失う
(『X-MEN2』)
↓
2002年
ローガンがX-Menに加わる
(『X-MEN』)
↓
X-Menがマグニートーを拘束する
(『X-MEN』)
↓
2003年
ストライカーがミュータント殲滅作戦を遂行
(『X-MEN2』)
↓
X-Menとマグニートーが手を組む
(『X-MEN2』)
↓
X-Menを守るためジーンが犠牲となる
(『X-MEN2』)
↓
2006年
リーチの力を元にキュアが開発される
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
↓
ジーンがダークフェニックスとして復活する
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
↓
マグニートーがブラザーフッドを集める
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
↓
スコットとチャールズがジーンに殺される
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
↓
ブラザーフッドがアルカトラズに上陸
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
↓
X-Menがリーチの保護と暴動鎮圧に向かう
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
↓
マグニートーがキュアによって力を失う
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
↓
ローガンがダーク・フェニックスを倒す
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
↓
エリックのキュアの効果が切れる
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
↓
チャールズが別の体に意識を移し復活する
(『X-MEN :ファイナル・ディシジョン』)
【X-Men】
チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX
ローガン/ウルヴァリン
スコット・サマーズ/サイクロプス
オロロ・マンロー/ストーム
ハンク・マッコイ/ビースト
マリー・ダンキャント/ローグ
ホビー・ドレイク/アイスマン
ウォーレン・ワージントン三世/エンジェル
コロッサス/ピーター・ラスプーチン
キティ・プライド/シャドウキャット
【ブラザーフッド】
エリック・レーンシャー/マグニートー
ジーン・グレイ/ダーク・フェニックス
レイヴン・ダークホルム/ミスティーク
ジョン・アラダイス/パイロ
ケイン・マルコ/ジャガーノート
ジェイミー・マドロックス/マルチプルマン
カリスト
アークライト
キッド・オメガ
サイロック
【その他】
モイラ・マクタガート
ウィリアム・ストライカー
ジミー/リーチ