吉風

デジャヴの吉風のレビュー・感想・評価

デジャヴ(2006年製作の映画)
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あの過去のぞき装置をSF的に真面目に考えるから、SF的な穴ばかり気になるのだ。あれは映写機であり、スクリーンに映るのは映画だと思うべきだろう。スクリーンに映る女に魅せられるデンゼル・ワシントン。彼は彼女を救うべく奔走するが、どうしても上手くいかない。当たり前だ、映画ってのはスクリーンにかかって上映が開始した時点で、もうラストまで決定しているものなんだから。だがデンゼルは諦めず、ついに映画の中に飛び込んでしまう! トニー・スコットが「カイロの紫のバラ」を活劇に仕立て直したような、素敵な傑作。矛盾点の数々など、この素敵さを前にすれば笑って許せる。スクリーンにペンライトを向けたらスクリーンの中の女が振り向くとか、片目で過去を・片目で現在をにらみながらカーチェイスするとか、細部も好調。
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