Sari

フリーク・オルランドのSariのネタバレレビュー・内容・結末

フリーク・オルランド(1981年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ウルリケ・オッティンガー監督『フリーク・オルランド』鑑賞。ヴァージニア・ウルフの小説「オーランドー」を大胆に翻案。神話の世界から現在にいたるまで、それぞれの時代に性も姿形も変えて現れる主人公を通して、異端や異形なる者が時代の中で排除されてきた歴史を描く。トッド・ブラウニング『フリークス』のように小人症やシャム双生児の方々が登場する、例えばブニュエル『銀河』を思わせる巡礼の物語を殆どコメディの様相でつくっている。だが、権力と弱者の根本的な問題や、超境する性、反発し合いながらも分つことができない生に、東西に分断されたドイツとも重ねてもみることができるだろう。人工的でチープかつ猥雑な世界がベルリンの無機質な風景を背景に展開され、いったい何を見せられているのだろうと戸惑いながらも、とにかく台詞を拝した映像感覚の魅力、主人公と同様にどの時代にも姿形を変えて登場するデルフィーヌ・セリッグの存在もあって、最後まで面白く観ることができた。

因みに名古屋シネマテーク通信を調べていたら1995年2/1〜2/10の間レイトショーにて名古屋シネマテークで上映されていた。


2024/01/20 シネマスコーレ
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