なすび

モーリスのなすびのレビュー・感想・評価

モーリス(1987年製作の映画)
5.0
名作でした…そして自分にとってとても大切な映画になった。これを見ずに死ななくて良かった…

ケンブリッジ大学で出会った青年同士の淡い恋、ギリシャに憧れて同性のプラトニックな愛に身を焦がすクライヴとそんな彼に告白されて目覚めてしまったモーリス。愛があれば名誉もお金も要らないと身を捧げようとするモーリスに対して、歳を重ねて現実的になり女性と結婚するクライヴ。モーリスは自分に嘘がつけなくて最後まで愛を信じて身を委ねようとする、クライヴは自分を押さえ込んでなんとか世界に順応しようとする…

クライヴ、モーリス、クライヴ、モーリス…(※この映画では君の名前で僕を呼んだりしません)
最近はなぜか同性同士の映画での方が自分の恋愛体験と重なることが多くて胸が締め付けられる。私は特にモーリスが自分のように見えて本当に辛かった……モーリスは最初は追いかけられる方だったのにいつの間にかクライヴのことが大好きになってて、追いかけようとした途端相手に身を交わされる…そこから空虚なもがき、嘘付いたり泣き喚いたり、クライヴの前で見栄張ったり…何でだろうね、ほんと何で報われないんだろうね😭客観的に見るとモーリスの弱点が少しわかる気がして自分もそういうとこが良くないのかな…って思いました。もうなんか…モーリスなのよ、、うん、わかるぞモーリス、君の気持ちがよくわかる😭

この映画のヒューグラントはとても美しくて妖艶でけしからん…儚すぎる…大学時代のヒューグラントこんな人に人生狂わされる気持ちもわかる。めちゃくちゃ美青年なのに声が低くてずるかった、無造作に後ろにかきあげた綺麗な栗毛色の髪に薄い青色の瞳。肩幅とかスタイルも完璧…そしてやっぱり英国の古典的な着こなしとても好きです……シャツにカフスボタンに硬い付け襟にネクタイ、サスペンダーにハイウエストパンツに革靴…ほんとたまらん…フェチです…
あゝヒューグラント…ヒューグラント…うっとりしました、、、

ジェームズウィルビーも良かったなぁ、幼さが少し残るかわいい顔、ブロンドヘアに濃く少しくすんだ青い瞳。だんだんと色気が増していくんだよなぁ…

スカダー役のルパートグレイヴスも、なんか危なそうなんだけどちょっと惹かれる気持ちもわかってしまう……!(あ、待って…この人「眺めのいい部屋」の弟役か…!まじか!!!全然気付かなかった…!)イギリスの階級差恋愛にちょっと萌えた…特に男性同士がいい…!でもきっとモーリスはこの後スカダーにも捨てられる気がします…ボロボロになります……私にはわかるんだ…

ずばり、自分の中の「美しいひと時の恋愛と共にその失恋模様も描く映画」に追加されました!!!求めていた😭😭😭さすがです…!またアデルブルー見たくなった、、、アデルブルーとモーリス二本立てで上映アリだと思います…見終わってみんなで泣こうな😭

映画の話すると、全体的にテンポめちゃくちゃ早くて一つ一つのエピソードをポンポン見せていくのが面白かった、たまに挟まれる俯瞰での建物とか自然とかが詩情あふれててなんか感情が高ぶる…!脇役も個性的だし時代のうねりみたいなものが全編通して表現されてる…!
個人的にクリケットのシーンで3人の心の模様を暗示してるのが最高だった…クリケットのルール知らんからわけわからんかったけど笑

あああああああああ……!幸せになりたい…

(追記)
デンホルムエリオットもかっこよかった
たしかに戸田奈津子翻訳字幕に一抹の違和感を感じた。grotesqueをそのままグロテスクと訳すのはどうかと…
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