ABBAッキオ

海峡のABBAッキオのレビュー・感想・評価

海峡(1982年製作の映画)
2.7
 日本映画が低迷期に入った時代に東宝50周年記念で製作された作品。名優オールキャストを配し、巨大工事青函トンネルをテーマと道具立ては揃えたが、映画としては凡作にとどまった(ただし木村大作撮影の風景シーンはさすが素晴らしい)。トンネル工事が絵になりにくいこともあるだろうし、名優が多すぎて人間ドラマに深みを出せなかった。主役のはずの高倉健だが、最も目立つのは森繁久弥という中身にも、撮影所時代の序列が窺える。極めつけは音楽のショボさ。こうした問題点を含めてこの時期の日本映画の代表作なのだろう。舞台裏では随分葛藤や混乱があったにちがいなく、今となっては、そちらをパロディ仕立てで撮って欲しいような映画。
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