よーだ育休中

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

3.0
1960年代、小切手偽造や身分詐称など大胆な手口で世界を欺いた若き天才詐欺師と、彼を追いかけるFBI捜査官との壮大な《鬼ごっこ》を描く。
巨匠Spielbergがメガホンを取った、実話を基にした作品。なんだけど、Spielbergっぽさはあんまり感じられなかった様な。(小声)


◆虎の威を借るなんとやら

文具店を経営する父と、美しい仏系移民の母の元で裕福な生活を送っていたFrank W Abagnale Jr.(Leonardo DiCaprio)。

父親(Christopher Walken)の会社に脱税の嫌疑がかけられた事で、彼の人生が大きく崩れ始める。母親の不倫により成立した両親の離婚が引き金となって家を飛び出したFrankは、パンナム航空の副操縦士と身分を偽る。そのまま大企業の信用小切手を大量に偽造する事に成功し、信用詐欺の味を占める。

袖を通しただけで、市井の羨望の眼差しを一挙に集めるパイロット。多額の小切手を切れるだけではなく、デッドヘッド(ただ乗り)を利用して各地への移動も自由自在。ズブズブと犯罪の蜜に毒されてしまう。

レオ様の甘いマスクで地銀の行員を口説き、小切手のノウハウを得てからは無敵モード!「英語が喋りたかったらアメリカ人と付き合え」とはよく言ったものですが、レオ様これはあかん!


◆初恋と失恋と

《空のジェームズ・ボンド》と業界内に名が通ってしまってからは、ジョージア州・アトランタで医者として身分を偽る。そこで得たのは金銭ではなく本気の恋。

お相手は若きAmy Adamsが演じる看護婦Brenda。歯の矯正器具をつけた初々しい女性ながら、キスがめーっちゃエロい!なんかもう、すごい!ちょっとメンヘラチックな女の子を熱演していましたが、レオ様これは俗に言う地雷ですぞ!

Brendaと婚約して、ニューオーリンズの検事をしている義父の下で今度は弁護士として働く事になる。(この辺りの演出というかネタバラシというか、見せ方は上手だった!)


◆手を差し伸べてくれる人のありがたさ

今作で忘れてはならないのがTom Hanks演じるFBIエージェントのHanratty(フィクションらしい)。人情味溢れるデカ長の佇まいで、犯罪者としてのFrankを追うだけでなく、捕まった後も一人の青年として彼の事を気に掛けてくれる義の人。

才があるのに、間違った使い方をして犯罪者になってしまった若者の栄枯盛衰を描いた実話ベースの作品という事で、Tom Cruise主演の《バリー・シール/アメリカをはめた男(原題:American Made)》と重なる節がありました。栄枯盛衰を辿る様は同じ様なのに、結末だけが大きく違う。これはFrankとBarryそれぞれに関与したFBI捜査官の質の違いである事に他ならないでしょう。地域柄、時代柄は勿論あったでしょうけど、後味の良い作品でした!

当時アラサーにも関わらずティーンエイジャーを見事に演じたレオ様まじ化け物!