かわさき

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのかわさきのレビュー・感想・評価

4.4
レオ様カッコよかった😍

今作を一言で言い表すと「天才小切手詐欺師の少年による約2年間の逃亡劇を時にコミカルに時に切なく描いた名作映画」だった。

2時間10分という長丁場だったが、「両親の離婚を機に詐欺師として世界を飛び回り、出逢い・裏切り・孤独の連続、数奇な巡り合わせにより最後は居場所を見つける」という怒涛の展開がそれを感じさせなかった。これが実話というのだから驚き。まさに事実は小説よりも奇なり。

レオ様演じるフランクはイケメンで頭も良く、度胸もあり機転も効くスーパーマンな一方で、大好きだった両親の離別以降ずっと愛に飢える孤独な青年でもあった。

医師に扮していた際に病院で出会ったナースのブレンダとの儚い恋。彼女やその家族と過ごした束の間の一家団欒。その折、ブレンダの両親が仲睦まじく皿洗いに興じている場面に偶然出くわしてしまうレオ様。

その時の憧憬と切なさの入り混じった表情、国際指名手配犯の身でありながら抑えられない情動に任せ故郷に居る父親に逢いに行ってしまうシーン。

これらから、小切手詐欺で何百万ドルもの富を得た彼の一番欲しかった物は「富」では無く、「失った家族の温もりを取り戻すこと」や「愛」だったのが分かった。その無垢さに胸が痛んだ。

国際指名手配のせいで一所に留まれず、誰とも絆を築けなかった彼の唯一の理解者が「自分を逮捕しようと奮戦する実直なFBI捜査官トム」だったのは、皮肉だけどハートフルでもあった。

結論、レオ様カッコよかった。
かわさき

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