かわさき

この世界の(さらにいくつもの)片隅にのかわさきのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

日本戦争映画の大傑作。
戦争の凄惨さが、スズのほんわかした語り口でも中和出来ないくらい伝わってきた。平和な時代を生きれる喜びを噛み締めながら観た。

その一方、本作は生々しいほど丁寧に描かれた恋物語でもあった。
最初嫁ぎ先の姓も分からないまま嫁に出されたスズが、呉で生活を送る中で周作の朴訥な優しさに惹かれていく過程を見るうちにめちゃくちゃ感情移入してしまった。
水兵になった哲が呉の家を尋ねてきた場面では、観てるこっちまでハラハラした。

また、家族の絆の物語でもあった。出てくる人が皆いい人で、見てて心が浄化された。その分 、後半の事件は我がことのように心が痛んだ。思わず画面から目を逸らしてしまった程。
かわさき

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