本当にこれ実話かよ(笑)と思ってしまうほど、大胆不敵な若き天才詐欺師の物語を、スピルバーグが本領発揮した「ザ・エンターテイメント！」な作品である。
ここまでテンポ良く面白い作品は中々無い。
登場する俳優陣も素晴らしく、主演のレオナルド・ディカプリオに至ってはコメディータッチで描かれる本作品と非常にマッチしており、彼を追うFBI捜査官トム・ハンクスとの掛け合いも見事で完全にハマり役。
美術に関しても音楽・ファッション・電化製品・掲示物からビンのラベルなど、スピルバーグらしい細部までのこだわりが楽しく素晴らしい。
ピクトさん風のオープニングもおしゃれで素敵である。
演出に関してもコメディー風味の作品であるが、ラスト近くの空港でトム・ハンクスとディカプリオの会話シーンなどじんわりと来るポイントも抑えてあり、またディカプリオ演じるフランク・アバグネイルが、自分や婚約者の両親が2人で楽しそうにしている姿を眺めるシーンは、幼い時に両親の離婚で傷ついたスピルバーグ自身の願望とダブって見えたりもした。
やっぱりスピルバーグって面白い映画を作る天才なんだなと、改めて思えた文句なしの傑作である。
