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パーフェクトブルーのtackyのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.5
今更ながら、今敏は急逝すぎた。

あまりにも溢れる才能と、独特の不安定を伴う夢の映像作品に、強烈に惹かれた。

私の初体験は「妄想代理人」だったが、もうTVアニメの枠を超えた演出、不気味な物語、キャラ立ちまくりの登場人物達、それぞれの話が交差し複雑に絡むシナリオ、釘付けになった。

その原点とも言えるこの作品だが、キャラ原案が、あの江口寿史氏。原作が「大映テレビの研究」等の竹内義和、主人公の声に元「セイント・フォー」の岩男潤子と、今となったら、とてもカルトな人々が関わっていたと感慨深い。

サスペンスとしては型通りだが、夢と現実がわからなくなる中盤から、犯人と主人公のアーケード上の逃走劇が、妄想の世界のごとく進行するクライマックスは、とても見事である。
R15指定で、海外ではR18指定らしく、今日でもかなりエグい内容なので、気をつけて観る必要はある。

しかしながら、冒頭のアイドル"CHAM"のステージだけでも観て欲しい。
実際のダンサー3人による振り付けビデオから、アニメに叩き起こした映像は素晴らしく。当時、アイドルのダンスをここまで完璧に表したアニメは無く、世界でも絶賛された。

「あなた誰なの?」
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