浅野公喜

パーフェクトブルーの浅野公喜のレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
3.9
小学生の時、総合学習で地元で活躍する色々な職業の人を尋ねる機会が有り、この作品に原画で参加したアニメーターの方の家にお邪魔したことがあります。その時、この劇中に地元新潟の会社の名前が登場しているんですよ、と「原信」「コメリ」が写っているシーンを見せて下さった記憶が甦りました。

作品の方は80分という比較的短い時間の中にかなり色々なものが盛り込まれており、サイコスリラー的な作風は「羊たちの沈黙」「セブン」辺りが流行っていた90年代前半~中盤らしいかも。しかし前述の作品群と違うのはアイドルとそのストーカー等がストーリーの軸となっており、日本人としてはずっと身近に感じられる故の恐怖がここにはあります。アイドルのイメージから脱皮を図ろうとしている、ある意味精神的に不安定なタイミングで狙われる設定も〇。エンディングも、そのまま素直に受け取る事も可能であれば、深読みも可能なのがニクい所。

また、襲ってくるファンの男のビジュアルと声のギャップが面白いです(笑)。ディズニーの吹き替えみたいな妙に爽やかな声が逆に気持ち悪く感じます。

やたらクオリティが高いグループの曲(タイトルは「愛の天使」)、潔さを感じる位に爽やかなエンディングの曲どちらも好みでした。
浅野公喜

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