⭐︎密かな愛の世界から、一気に転落していき悲惨な現実と想像とが交錯する世界へと変わる中での、一生の後悔がテーマ。戦争の描写は悲惨で、それと重なるように過去の過ちを悔やみ続ける人物描写が際立つ。死に方もむごい。
⭐︎前半の言葉がなく音楽も静かな中、表情だけで人物の繊細な感情の揺らぎを表現する演出が美しい。
⭐︎もしやと思ったら、やはり子役はシアーシャローナンだった。あどけなさがありながらお顔が既に完成していて、当時から演技が素晴らしく感動。
⭐︎暗闇に強い線となったり、淡く窓から差し込んだり、光の多様な扱い方が巧み。
⭐︎急に次のシーンに切り替わったり、時系列が絶妙にズレる構成は、やや物語を難解にしているが、ドラマティック。
⭐︎やや大げさだが、タイプライターや楽器の感情を煽るような音が緊迫感を出していて、印象に残る。
⭐︎主役の2人が繊細な美しさで、似たような雰囲気でお似合いで引き込まれる。
⭐︎海辺のシーンは、大量のエキストラの群衆の中をワンカットで歩く撮影方法で、その規模感が凄い。
