ある夜起きた出来事を目撃した妹。
妹の証言によって、本人そして姉、姉の恋人であり妹の初恋の相手でもある青年の人生の歯車が狂っていく。
妹の姉と青年への嫉妬心が招いてしまった証言なのか？
それとも、多感な年頃の子供にはそう映ったのか…
幼い妹にとって一つの証言が、悲しい結末を招くことになるとは思わなかったのではないのかな…
その後に起こった戦争がもたらした姉と青年の死や戦争の悲惨な描写が妹自身が感じている罪とも重なり彼女の背負ってしまったことの大きさを感じさせます。
二人の死により妹の過ちは決して直接的に償う事の出来ないものとなる訳だけど、せめても本の中ではと二人が結ばれる結末にした妹は生涯をかけて懺悔をし続けてたのではないでしょうか。。
誰か悪いと言い切れない起きてしまった一夜の出来事が戦争という決して抗うことの出来ない出来事と重ねて描かれていて観終えた後深い余韻が残りました。
作中に散りばめられた細やかな美しい描写、シアーシャの透明な佇まいが作品の悲しさをより深めている気がします。
