しんたろー

ギルバート・グレイプのしんたろーのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.5
夢見ることを諦めて、家族とともに片田舎で過ごすことに決めた青年が、ある女性との出逢いによって、少しずつ一歩ずつ踏み出していく再生の物語。
障害を持つアーニーも過食症で家から出ない母親も恥ずかしいレッテルであり、同じくらい愛する家族であるということをちゃんと分かって、自殺してしまった父親の代わりに長男として関わることが自分の使命としながらも、どこか鬱屈とした日々から抜け出したいと思う気持ちもまた真実だし、どちらかではなく、どちらも叶えたいと思ったって何も悪いことじゃない、そんなことに気付かせてくれたのは結局のところ、近くにいる面倒くさいけど愛おしい家族の存在だし、ほんの少し首の角度を変えて見る視点を切り替えることを自然体の笑顔と仕草で教えてくれたベッキーに恋してしまうのは至極当然の流れ。
ラストシーンまでとても素敵な時間が終始流れている名作。ジョニーデップは白塗りコスプレしなくても静かで深い演技が出来るし、子役の頃からディカプリオは化物。
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