なちゅん

ギルバート・グレイプのなちゅんのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.5
ジョニー・デップもレオナルド・ディカプリオも演技力が常人のそれじゃない。素晴らしすぎ……
田舎特有の閉塞的な環境、遠慮のない残酷な視線、それぞれに鬱屈したものを抱えながら発散することもできない家族。見ていて苦しくなるほどのそれぞれの姿の間で、アーニーはSunshineのように天真爛漫に生きる。それは時として人を苛立たせるけれど、アーニーはただ彼としてあるがままに生きているだけ。だから太陽のような明るさと眩さで家族の(良くも悪くも)中心にある。

子供が子どもらしく自分の道を選択する機会を得るという余地のなかったグレイプ家に変化が訪れる。それぞれが自分の生きる道を探しに、ようやく解放される。それは悲しくもあるけれど、最後のギフトとも言える。あの決断はかなりのものだったけれど、最良だったと思う。
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