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嫌われ松子の一生のseiのネタバレレビュー・内容・結末

嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

人生で何回観たか分からないくらい大好きな作品。

ある女性の悲劇を中島哲也独特の世界観でファンシーに描くことで柔らかい表現になりつつも、闇堕ちしていく松子を見るのが辛くなるような描写もしっかりあるので、観終わった後心に残るズンとした重い気持ちは結構強めです。不器用で愛に貪欲な松子が、男性を愛し尽くして生きるけどどれも上手くいかず、それでも一身に愛を信じ続ける姿があまりにも美しい。

「人間の価値って人に何をしてもらったかではなく何をしてあげたか」ってセリフがあったけど、松子が男性にしてあげたことって実はエゴで。相手の為と思いつつ松子自身が愛されたいという気持ちが強すぎて、見返りの愛を得る為に押し付けてた一方的な愛だったが故に歯車が噛み合わなくなっていったんだろうけど。とはいえその真っ直ぐな生き方で何度も失敗しながらも、折れずに人を愛することを貫いた松子の生き方はカッコいいと思った。生きるのが物凄く下手だったかもしれないけど、死後も関わった人の心に残り続けるであろう松子の存在価値は十分にある気がします。

劇中の中谷美紀さんがずっと美しいのと歌声も本当に綺麗で見惚れてしまう〜
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