ミシンそば

ふくろうのミシンそばのレビュー・感想・評価

ふくろう(2003年製作の映画)
3.9
BS松竹東急での放送で鑑賞。
新藤兼人監督、めっちゃくちゃキレキレの演出じゃないですか!
90代でここまで毒々しい映画を撮れるか?!

自分が結構好きな“行き止まり”の物語。
耳にあまりに残るBGMを背景に、愉快に、且つ相当ワンパターンに人が殺されてゆくが、ちょくちょく“行き止まりである理由”、“取り残された者であること”が提示され続ける展開が続く。
主人公親子に殺される男は、現実にいそうな嫌~な奴で、それが滑稽な仕草で死んでいくから痛快なんだけど、前述したそれらの要素が観る者の心を引き締めにかかる。
(そして、それに説得力を持たせる主人公親子の演技が抜群に上手い上に、狭苦しいセットも効果的だ)。

飲みやすい毒薬、と評すべき映画なんだろうな。
面白かったけどもう一回観たくはない。