ラール

カティンの森のラールのネタバレレビュー・内容・結末

カティンの森(2007年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ソ連軍がポーランド軍の捕虜を殺戮した「カティンの森事件」を題材とした映画だったが、どちらかといえば事件そのものよりも犠牲者の遺族や友人が、重点的に描かれていた。
夫の死の真相を終盤まで知れなかった妻、兄の死の真相を知りつつも体制に弾圧される妹、自分が生き延びるために事件の隠蔽に加担せざるを得なかった軍人など、真実を封じようとする暴力がもたらした犠牲は、あまりにも多かった。
戦時中のポーランドで起きた悲劇だけでなく、戦後の共産主義体制でも続いた闇を描いたからこそ、大きな意義のある作品に仕上がっていると思う。
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