これほどに恐ろしい映画を観たことがありません。
心して観ました。正視できなかったシーンもありました。それでも観ました。
ポーランドの悲劇はユダヤ人だけではなかったのです。
学者、技術者、聖職者、捕虜まで惨殺されました。
ドイツとソ連によって。
ドイツとソ連に侵攻され国が二分にされた悲劇。捕虜とされたポーランドの将校1万5千人がソ連に虐殺されカティンの森に埋められた悲劇。この惨劇をドイツとソ連が互いになすりあった悲劇。戦後、実質ソ連の支配下になり、カティンの森の事件が闇に葬られてきた悲劇。カティンの事件に触れた者はソ連軍に連行されて行きました。カティンの事件そのものがなかったことになっていたのです。
その後、ポーランドは1989年の民主化まで、母国と呼べないまま来ていたことを初めて知りました。
民主化して18年後の2007年の作品です。
ポーランドという一国の悲劇ではありますが亡くなった人の家族の数だけ悲劇があったのだと思いました。
今の時代の日本に生まれたことはなんて幸運だったのかと思いました。