タカナリ

ニュースの天才のタカナリのレビュー・感想・評価

ニュースの天才(2003年製作の映画)
3.5
1998年に判明した、アメリカの政治雑誌『ニュー・リパブリック』の記者・スティーブン・グラスによる記事の捏造について描かれた作品。

実際にあった事件がもとになっていて、彼は41のスクープ記事のうち27もの記事で捏造を行ったそうです。
それがバレる瞬間が今回描かれているわけなんですが、それまでバレなかったのがまず不思議。言い訳を聞く限り、細かい穴が確かにいくつかあります。だけど、取材メモなどの情報がしっかりしていたため、バレる事は無かったようです。運が良かったとも言えますね。

気になったのが、「捏造するに至った理由」です。
社長の嫌がらせに対する報復だったり、信頼している編集長が突然クビになった事で計画した犯行と、理由としてはこれでも良かったと思いましたが、どれも違っていました。
その理由に関しては、一切語られていません。
DVDの特典にあったドキュメンタリーを見てようやく理解出来ました。細かくは言いませんが、計画的犯行では一切ありません。恨みも怒りもなし。
個人的にはそこをもう少し描いて欲しかったです。
ですけど、こういう疑問を調べて納得するのも映画の醍醐味ではありますよね。

彼は記者ではなく小説家にでもなっていたら、こんな辛い目には会わなかったのかもしれない。