ワルキューリ

ニュースの天才のワルキューリのレビュー・感想・評価

ニュースの天才(2003年製作の映画)
3.8
「メディアを信じるか」
日本では8割ほどが信じると答えたのに対し、アメリカのそれは5割ほどに留まるとか。まして全米で2万近く有る雑誌の信頼度はさらにピンキリだ。

そんな状況の中で「大統領専用機に唯一常備される」信頼度を誇るニューリパブリック誌は社主が対立する編集長マイケルを放逐し、新編集長はチャールズ(ピーター・サースガード)に任される。
人望厚いマイケルを慕う若手雑誌記者スティーブン(ヘイデン・クリステンセン)はチャールズに反発しつつ、スマッシュ記事を連発し名声を高めてゆく。しかし、その自信に満ちた顔の裏側は同業者の調査をきっかけに暴かれていき…

クリステンセンは病みが似合いますね。スター・ウォーズEP3で闇落ちするアナキンにこの時の記憶が作用したのは言うまでもない(民明書房『銀河大戦戦士大全』)
本作のそれはやり過ぎて喜劇に見えちゃうかもですが、今の日本でウソを取り繕うために嘘を重ねるお偉いさん方を見てると笑えねー(汗)
仲間に信頼されないもどかしさを抱えるチャールズが一貫して信じた「ジャーナリズム」の元で絆を取り戻すところは『ペンタゴン・ペーパーズ』と重なる。

先を読みやすい展開と思わせ、実際予想通りに進んでいきながら意表を突く落とし穴も。エンディングの後日談でも報道人の重さを突きつけられます。