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めしのotomのレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
5.0
2022年8月16日
久々。林芙美子の描くズタボロ系女性像にしては原節子はちょっと品があり過ぎな気もしなくはない。高峰秀子配役の方がなんとなくしっくり来そうだけど、ピキピキ、ゴゴゴ...な得意な感じのやつは流石に上手いので、これはこれで良い気はする。居るだけで場が締まる杉村春子の出すタイミングもバッチリな成瀬巳喜男。素晴らしい。

2018年5月23日
よそん家の夫婦喧嘩と云う最高にどーでもいい題材ながら実にドラマチック。他の作品でもそうだけども、ピキピキしている時の原節子の怖さと表現の濃密さ。加山雄三同様に隠しきれないモテDNAの上原謙、ド正論の小林桂樹+ニャンコ等々で層の厚さもまた感じる。締め方としては、フェミニストの皆さん的に大激怒しそうな終わり方ではある。しかし、もはや神話かお伽みたいなレベルになってしまった昭和の人々の営みに、林芙美子じゃないけども愛おしさを覚える。傑作。
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