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長屋紳士録のotomのレビュー・感想・評価

長屋紳士録(1947年製作の映画)
5.0
ブル入った土佐犬面で、コチコチの握り飯みたいな面した餓鬼に『めっ!』って放つ飯田蝶子だけで満点上げる。展開が急なのはともかく、アンを引き取るマリラ・カスバートばりに人情に絆されるからの、小沢栄太郎登場後のラストの一幕がもう泣ける。今とは異なり孤児が野良猫レベルだわ自己中だらけの戦後模様だわで、独りよがりは駄目だと軽いお説教ラストなんだけど、後の方は現代になってもあんまり変化が無いようで虚しい。構図はもとより茅ヶ崎の海やら写真暗転やら完成度が高い小津戦後第1作で安心して観ていられる作品。笠智衆ののぞきからくりの口上のとこも良かった。と、『たれ逃げ』って言葉のインパクト。
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