Maoryu002

スイミング・プールのMaoryu002のレビュー・感想・評価

スイミング・プール(2003年製作の映画)
3.6
イギリス人女性作家サラ(シャーロット・ランプリング)は執筆に集中するために、出版社社長のフランスの別荘に滞在することになる。ある日、社長の娘ジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)が別荘にやって来て、男を連れ込み奔放な生活を始めサラと衝突する。しかし、サラは次第にジュリーに関心を持ち始める。

無防備に鑑賞すると大混乱するフランソワ・オゾン監督作品。

これほどまでに観客に解釈を委ねられた作品も珍しく、解釈が自由だから何を書いてもネタバレにはならないのは楽しい。

サラは明らかに自分とは真逆のジュリーを拒絶するものの、実は憧れの目で見ている。
これって、実はジュリーの行為はすべて、創作に飽きたサラの行動だったんじゃないだろうか。
あるいは、虚言壁のある全くの第三者ジュリーという女が、娘を装って別荘を支配していたとか。
いずれにしてもジュリーのお腹の傷とマルセルの娘の存在は謎で、両者は何か繋がっている気がするんだけど… 分からん!

全体的に好みの映画ではないけど、途中から妄想を混ぜ込んで、観客を創作の世界に引き込むつくりは非常に興味深かった。

サラを演じたシャーロット・ランプリングって、どこか性的倒錯を感じさせて、この作品でも雰囲気でてた。体を張った仕事は圧巻。
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