Maoryu002

コンパートメントNo.6のMaoryu002のレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
3.6
1990年代、モスクワに留学中のラウラ(セイディ・ハーラ)は恋人にドタキャンされ、一人でムルマンスクのペトログリフを見に旅に出る。しかし、寝台車の6号客室で相部屋となったのは炭鉱労働者リョーハ(ユーリー・ボリソフ)で、ラウラは彼の粗野な言動にいらだちを募らせる。

「オリ・マキの人生で最も幸せな日」のユホ・クオスマネン監督作品。
モスクワから極寒のムルマンスクへの旅ってことで、とにかくずっと暗くて寒そうな映像ながら、ほんわか心が温まる。

冒頭からラウラは笑顔がぎこちなく、社交性もなく、何より自分の意志がまったく見えない魅力薄キャラだ。
そんな彼女の失意の旅は、閉ざされた列車の狭いコンパートメントで走りはじめ、そこにはとんでもなく無礼な酔っ払い男が居合わせて、そりゃ列車を降りたくもなる。

そこから、リチャード・リンクレイターの「ビフォア・サンライズ」を思わせるような2人の交流と、少ないながらも会話劇が展開していく。

ただ、相手のリョーハは行動が完全にこどもで、まあ良く言えば真っ直ぐ。ラウラの人生観を変えるというには、ちょっと弱かったなー。
まあそれでも、彼からのメッセージを見た彼女の屈託ない笑顔は100点満点!
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