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カンフー・マスター!のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

カンフー・マスター!(1987年製作の映画)
4.3
【ショタ×格闘ゲームmeetヌーヴェルヴァーグ】
先日TSUTAYA新宿店に行ったら、面白そうなタイトルを見つけた。その名も「カンフー・マスター!」。一見、香港アクション映画のように見えるが、本作は「5時から7時までのクレオ」「落穂拾い」のアニエス・ヴァルダ監督作。そうおフランス、ヌーヴェルヴァーグ系映画なのだ!タイトルに惹かれた即借りて観ました。

☆「カンフー・マスター!」あらすじ
40歳の子持ちマザーは、とある少年に一目惚れしてしまう。なんとか少年に近づきたいマザーは、少年がカフェにある「スパルタンX」のゲームに嵌まっていると知り...

☆ショタ×格闘ゲームmeetヌーヴェルヴァーグ
とっても変な映画を観た。世の中には、様々な恋愛映画がある。それこそチンパンジーと不倫関係になる映画すら存在するし、本作のようにショタ、年の差恋愛映画と言えば、「ハロルドとモード」という作品もある。シチュエーション自体を観ると、本作はよくありそうなトリッキーな恋愛映画に見えるが、掛け合わせるモノを変えただけで唯一無二の怪作が爆誕する。

なんたって、物語のキーを担っているのが、格闘ゲームの名作「スパルタンX」なのだ!海外では「カンフー・マスター!」と呼ばれている、この格闘ゲームが恋のキューピットとなる。子持ちのマザーが、少年に惚れ込んで、近づく。少年が「スパルタンX」に夢中になっているところを、背後からフェティッシュな目で見る。というか、腰の動きがおっ可笑しいぞ!ジェーン・バーキン扮するこのマザーを男に置き換えて考えるとアーーーーーッツ!な展開だ!

そして、怪しいまどろんだ目で少年に近づく女を、少年はもて遊ぶ。たかが格闘ゲームなのに、まるでクラシック映画のキザな男優のように少年はマザーにゲームの手ほどきをする。あまりに馬鹿馬鹿しく、でもフェティッシュすぎる映像に惹き込まれっぱなしでした。

<h2>ゲンズブール母娘が共演!</h2>
本作でマザーを演じたジェーン・バーキンと娘役のシャーロット・ゲンズブールは母と娘の関係です。この「カンフー・マスター!」では、幼い頃のシャーロット・ゲンズブールが観られる貴重な作品でもあります。そして、このゲンズブールさんがメチャクチャ可愛いのです!少年そっちのけで、ゲンズブールに惚れてしまうほどキュート。

ただ、こんな狂った映画に出たから、後にラース・フォン・トリアーの「しもべ」として、「アンチクライスト」「メランコリア」「ニンフォマニアック」に出演したのではと思ってしまい、不思議な気持ちになりました。

特殊なシチュエーションの恋愛に飢えている人必見の作品です!
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