白いかざぐるま

八日目の蝉の白いかざぐるまのレビュー・感想・評価

八日目の蝉(2011年製作の映画)
3.9
どこに感情を持って行ったらいいのか、肯定すべきなのか、否定すべきなのか終始悩んだ。

人間の世界は単純な感情で出来ているわけではなくて、色んな思いが複雑に複雑に絡み合っているわけで、設定は特殊だけど自分達が生きる世界はこういう複雑な世界だと思う。

自分は誘拐犯に育てられるという、特殊な環境で育ち、自分には幼いころからの愛された記憶がなく、子供をどう愛したらよいかわからない。
そんな恵理菜が、心の奥にしまい続けてきた、かつての母への思いや愛されていた記憶を取り戻し、これから生まれてくる自分の子供への愛情が溢れる。

感情を揺さぶられ続けて、気がついたら泣いている認識もないまま涙がこぼれてたという、自分の中では衝撃的な作品。


2018.7.28再鑑賞
2回目見たら、印象が全然変わった。

ロクでもないな大人達に翻弄されて、エリナちゃんひたすら気の毒。

キワコはもともと、コミュニケーションが苦手そうな世間知らず。本妻の赤ちゃん見に行って家に侵入するとか尋常じゃない。
本妻も精神的に不安定すぎ、森口遥子のキレッぷりが凄すぎて、ここでもエリナちゃん可愛そう。

よく父親に似た男に惹かれると聞くけど、出てくるのはクズな男ばっかりだ。

キワコは悪事がバレそうになると、すぐバックレるとかホント自分勝手。
カオルの将来を何も考えてない、身勝手な行動だと思わざるを得ない。

自分で自分の道を切り開いたエリナちゃんひたすら立派。