ディグ

イレイザーヘッドのディグのレビュー・感想・評価

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)
4.9
◾️若き日のデビッド・リンチは
将来を夢見る芸術家だった…。

若き日の監督デビッド・リンチ。
画家を目指し、その後、映像作家を
目指していたある日、
彼女を妊娠させてしまった。
リンチはそれがショックで
目の前が真っ暗になった。
まだ学生だったリンチは
彼女や子供のために
夢を諦めて働かなくては
ならない。

◾️イレイザーヘッドは
まったく難解じゃない作品。

イレイザーヘッドを観て
意味がわからないと言う方は
冒頭の監督自身のエピソードを
知らないだけ。
けれどこの映画が
監督自身の悲壮な気持ちを
描いているだけだと理解すれば、

すんげー単純な話ですぜ!
はっきり言えば

俺、彼女を妊娠させちゃったんだぜ。
ちょーこまる!

という、いかにも
自分勝手なリンチの心境を
吐き出しているだけなのです。

映画冒頭の惑星の人が
何かのスイッチを入れる
シーンは、子宮に精子が到達し
受精したことを
比喩しているだけ。

◾️そもそもリンチはシュルレアリスト

そもそもデビッド・リンチは
映画作家以前に
画家を目指しており、
ピカソやダリなどと同じ
シュルレアリスムという
ジャンルの作家です。

ピカソやダリの絵を見て
「意味わかんない!」
といったって
それこそ無意味で、
何故なら彼らは
意味がわからないように
描いているからです。

そこに意味を求めるなら
その作家に対する
研究が必要なのであって、
単純に意味を求める
作品ではないと思います。

ブルース・リーも
言ってたじゃないですか。
「考えるな!感じろ!」って。

シュルレアリスムというのは、
簡単にいうと
目に見えている現実ではなく
物事の本質を描くということ。
ようするに

心象風景みたいなもんです。

彼女を妊娠させてしまった
リンチには
全てがイレイザーヘッド
の世界のように
見えていたのです。

◾️スパイクのやばさ

イレイザーヘッドの主人公
ヘンリーが世話をする
赤ん坊は、本編には
名前が出てきませんが、
スパイクと呼ばれています。

スヌーピーのお兄ちゃんが
名前の由来。

このスパイクのリアルさに
関心した1人の映画作家が
いました。

「2001年宇宙の旅」などで
知られる巨匠
スタンリー・キューブリックです。

キューブリックは
スパイクを
どうやって作ったか
知りたくなり
あらゆる手をつくして
調べさせたのですが、
ついにリンチは
その秘密を教えませんでした。

「いいたくないんだ」

というのがリンチの答え。

ここからは私の推測ですが
おそらくリンチは
マジで小動物などの
遺体を使用しているのではないか?
と想像します。

その根拠は
リンチが発表している
アート作品の中に
魚や小動物を使用した
作品があるからです。
※グロいので深くは説明しません!

あーだこーだ
イレイザーヘッドについて
レビューしましたが
この映画を楽しむために
必要なことはただひとつ!

考えるな!感じろ!
ディグ

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