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黒い画集 第二話 寒流のyusukepacinoのレビュー・感想・評価

黒い画集 第二話 寒流(1961年製作の映画)
3.6
松本清張の『黒い画集』の中の1編の映画化作品。
この構造には抗えない。暖流に乗った男の転落劇。というよりも一時のまやかしのような。池部良、新珠三千代、平田昭彦の三角関係を軸に支店長になったいち会社員の権力の無さが見事に描かれている。
悪女な新珠三千代は終始妖艶さがあり、役柄的に他作品に比べると色気を抑えた池部良。それでも釣り合う。
どう立ち向かっても勝てない相手はやりたい放題しても黙認される。
こればかりは悔しいがどうしようもない。
ラストの八方塞がりな池部良の背中が寂しい。

唐突に登場する丹波哲郎のパートだけ急に東映っぽくなって笑った。
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