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碁盤斬りのyusukepacinoのレビュー・感想・評価

碁盤斬り(2024年製作の映画)
3.6
古典落語の演目『柳田格之進』を基にした時代劇。白石和彌監督×草彅剛。顔立ちから彼は時代劇に映えるように感じた。
消えた50両を巡る話。浪人になっても武士の品格、品位を保つ男。罪を被せられ災難を重ねてようやく平穏に暮らせたかに思えた中でのあらぬ疑い。その疑いは晴れるのだろうか。
碁を打つ愉しみと燻る心。目的を果たすために行動する主人公のキャラクターは好き。どうも周りに恵まれているようで疑問符も拭えない。小泉今日子の迫力は本作に違いを生み出していた。
難解な話ではなく、比較的シンプルなストーリーで古典の人情噺に現代風なアレンジも加えられているためか普段時代劇を観ない人でも物語に入りやすくなっている。原作の落語にあったクスッと笑わせる軽妙な洒脱さが排されている分、その点は面白味に欠けるが映画としては楽しめた。白石和彌監督作としてはマイルドか。

薄靄かかった明かりが煌々と照りつける吉原の遊郭に消えていく清原果耶が切なかった。
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