垂直落下式サミング

ウィンターズ・ボーンの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ウィンターズ・ボーン(2010年製作の映画)
4.0
アメリカ中西部の山岳地帯、寒々とした森林に囲まれたド田舎に、独自の部族社会を持ったヒルビリーと呼ばれる人たちが暮らしていることをこの作品で知った。
冷淡で粗野な画面が映し出され、ジェニファー・ローレンスが演じる長女が猟銃で撃ち殺したリスを調理し兄妹に食わせるくだりや、親戚ぐるみで麻薬製造をしていてマフィア化した状態、独自の掟には警察や行政も介入できないなど、甚だ信じ難いことだが、いずれにしても、我々が思い描くアメリカ人の営みとは程遠い、閉鎖的で暗い環境である。
女性同士の関係性に焦点をあて、フェミニズムを基調としており、男性は別の生き物かと思うほどに対話不能な存在で高圧的で暴力的。彼等は前時代的とすら言えないようなミソジニーを全開にしており、彼女はその男の近親者の女性を介すことでしか彼等と関われないが、罵倒されてもリンチをうけても物怖じしない彼女もまた一族の女である。
この場所のどうしようもないクソさと、それでもここで生きていくしかないクソさ。17歳の少女がこの現実をしっかり見据えて、尚且つ自分がその社会体系に積極的に組み込まれることをよしとすることで強くあろうとする様子がみていて痛々しく、また周りの大人も彼女を微塵も子供扱いしていない事に驚いてしまった。家庭を支える家長の役割を果たしているんだろうが、それでも、まだ17歳だ。ティーンエージャーのジェニファー・ローレンスむちむちしてて可愛い。実際は二十歳前後か?可愛い。