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ブラックブックのbのネタバレレビュー・内容・結末

ブラックブック(2006年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

第二次世界大戦ナチス・ドイツ占領下のオランダで、家族をナチスに殺された若く美しいユダヤ人歌手の復讐、または国家に翻弄される不条理さを描いたサスペンスドラマ。

とにかく糞糞糞糞糞糞、糞、糞、糞の糞映画(笑。あまりにも糞すぎて糞のゲシュタルト崩壊待ったなし!醜悪で愚劣な糞人間の嵐!実際に糞も出てくるしこの上ない糞映画。
本作はヴァーホーベンのシニカルさがこの上なく炸裂してる、人間の果てしない愚かさ、業の深さを突き付けられ、どうしょうもない悲哀を感じる。主人公の台詞に「いつまでこんなことが続くの....」というものがあるが永遠にこの地獄は終わらない。
人間は、この地獄を永久に繰り返し続けるのか、と何度観ても涙が流れてくる。この映画で描かれていることを否定出来ない哀しみと絶望感、情けなさ、そしてやるせなさ。

この映画にはあらゆる悪徳を行う人間が描かれているが、個人的にはそれよりも自分勝手な正義感を振りかざす者の、正義の名の元のいき過ぎた行為には目も当てられないと思った。正義ほどあやふやで不安定なものはない。人間の善悪なんて薄っぺらだから、自分にとって善いか悪いかだけしかないのだと思う。国家という体制をとった時点でそれぞれのくだらん正義のぶつかり合いが始まり、それに巻き込まれる国民。救いようがない。

全シーン名シーンだけど、棺桶のシーンは中でも物凄く好き。
「本当は棺を開けるべきよね?」「あぁ、そうだな」この台詞も大好き。人間のどうしょうもない業が描かれている名シーン。
ラストシーンも強烈な皮肉でとてもいい。

バーホーベンがこれでもかとこの世の認めたくない真理を突きつけてくるから、観た後疑心暗鬼になること受け合い。
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