RYUYA

ジャイアンツのRYUYAのレビュー・感想・評価

ジャイアンツ(1956年製作の映画)
4.5
傑作だと思う。これぞ映画。テキサスの荒野をうつろう、30年に渡る牧場主たちの成功と転落の一大叙情詩。1956年。201分。まだギリ若者の私からしたら、時にいちばん厄介な「古くてクソ長い映画」なのだが、めっちゃくちゃ面白かった。人生を喰らった感じ。メインである3人の登場人物たちが、ことごとく性格を変えてゆく、その深い人間洞察が素晴らしかった。この映画は、大牧場に嫁いできたよそ者ヒロインが気丈に生き抜いていく物語だが、その裏で、牧場主に煙たがられる下働きのひねくれ者が石油採掘で成り上がるサクセスストーリーでもある。成功と転落が二つ、同時進行で入れ違いになる巧みなストーリーテーリングが実に見事。そしてもうこの映画は...ジェームス・ディーンっしょ。色褪せないね〜。成功の果てにあるとてつもない孤独。あのディーンの姿。なんと空虚で色っぽいことか。確実にこの映画はのちの『ゼアウィルビーブラッド』に継承されている。
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