Gorosuke

ジャイアンツのGorosukeのレビュー・感想・評価

ジャイアンツ(1956年製作の映画)
5.0
とんでもない映画、この映画こそがジャイアント。これまで観なかったことの後悔よりも、この歳でないとこんな気持ちにはなれなかっただろうという思いの方がずっと強い。

アメリカやテキサス、メキシコの90〜60年前の人たちでありながら、どこか親しみやすく、どこか愛らしい。人が人として素直に生きている様や、主人公レズリーの分け隔てのなさや、テキサス人の略奪と支配から生まれる誇りや、時代の流れに対して変わらないものと変えざるを得ないこととか、人生の突然の悲しみや、思いがけない衝突やすれ違いとか。東部と西部、男と女、親と子供、支配者と労働者、富と貧困、繁栄と衰退、家系と個人、テキサスとメキシコ、牧場と油田開発、戦争、人種差別、孤独、幸福。人生の本当の意味とは…ある日突然に感じられるもの。
人は皆、どこに生まれようとどう育とうと、同じように晴れの日と嵐の日がある。そんなたくさんのたくさんの過去の延長線上に今がある。過去の人たちが時間をかけて取捨選択して捨てたものを、また拾い直すことのないようにしなければと、みんなが思うことが今は大切。今にとってこの映画はとても重要だと思えた。
富で晴天を注文することなんてできないんだ。

上映時間200分、人生の終焉に感じる人生はこんなふうにあっという間なのかな…。

ボクは未だミッドライフクライシスの真っ只中
ー 午前10時の映画祭 にて
Gorosuke

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