クセ強し!!
主役はバットマンというよりペンギン。
前作ジャック・ニコルソンのジョーカーは存在感が凄かったが、今回は心情描写も出演時間も悪役がバットマンを越えてる。監督の思い入れが凄い。
内向的なヒーローものが殆ど当時は無かったことを思えば、かなり挑戦的な内容。今の方が受け入れられやすいのかも。
とはいえ、嫌いではないが、あんまりお薦めはしない。なぜなら感情移入の対象がバットマンではなくペンギンになるからである。
映画「ジョーカー」のように、ジョーカーというキャラクターに対して、何となくのイメージが前提としてあって、スポットをジョーカー誕生の変遷にだけ絞るような作りならまだいいが、キャラクターに馴染みがなく、同時進行でキャットウーマンも登場するから深みも弱いうえ、結局バットマンにやられちゃうから、どうしようもない。
ただ、アメコミの実写化の成功は、こういう紆余曲折を経てこその今だと思う。少なくともダークナイトの成功は無かったと感じる。
その意味では、アメコミの実写映画史に残すべきイレギュラーな作品。