エアール

リンカーン弁護士のエアールのレビュー・感想・評価

リンカーン弁護士(2011年製作の映画)
3.8
街を走る黒塗りのリンカーン 、
その車中の後部座席に腰を落ち着ける人物は
高額で弁護を引き受ける、その腕はピカイチもん、アウトローだけれども醸す人間臭さが堪らない、弁護士 ミックである
ーー演じるはマシュー・マコノヒー!!

評判が良いのは知ってて
いざ鑑賞したら確かに良いんだな〜、これが!!
論点はいろいろとある作品ですが個人的には
弁護士の立場としてうまく立ち回りながらも、
司法制度や持てる知識を生かして
相手とどう闘うのか、
そこの駆け引きがなんとも面白い作品だな〜と思いますね。
ミックの元妻で検事でもあるマギーにはマリサ・トメイが扮してます
ーー全然本作とは関係ないのですが
映画 『レスラー』にて
ミッキー・ロークが渋みと威厳たっぷりに言うセリフが頭をよぎる
ーー”お前らにこの女の良さは分からない。お前らには勿体ない女だよ”と。
あれ以来マリサ・トメイを観ると
ざわつくんですよね 笑


はて
ミックのもとに舞い込む、金になる男 ビッグ・チャンスの到来であります
ーー依頼人は不動産でがっぽり儲ける金持ちのドラ息子、
その容疑とは
ある女性ーー娼婦に暴行して重傷を負わせた、というもの
ーー被害を受けた女性の証言では、
被害者宅に来た彼に一方的に殴り倒され襲われたと。

一方で、息子は容疑を否認
ーーむしろ真逆で
彼女に家に招き入れられた途端
いきなり後ろから殴り倒され意識を失った…と。
服や手に血をつけられ、如何にも自分が彼女を襲ったかのように偽装された、ハメられたんだと。

息子に逮捕歴はなく、
過去 警察の記憶に残るようなこととしては駐車違反のみ。
依頼人の望みは一切の司法取引には応じず、無罪を主張するというもの。
これが厄介ごとのはじまりはじまり 笑

依頼人と被害者とで食い違う証言、
事件の詳細を話す段階で敢えて伏せていることーー隠し事があったり、
募る不信感、
今回の被害者の顔写真から繋がる、過去の類似事件
ーーその殺人事件の容疑者は無実を主張したが
結局 司法取引をして刑務所送りに、
調査員の殺害、
露わになる本性、
シンプルだと思われた一件は思わぬ展開へと…。

被害者の言う通り
依頼人はケダモノなのか、
それとも依頼人をハメようと賠償金目的で被害者が仕掛けるワナに過ぎないのか、
弁護士と依頼人の関係、
秘匿特権と雇った目的、
殺しを楽しむだけでなく人に罪を着せる輩もいれば、
あるケースで有罪が確定となり
過去に起きた類似の未解決事件についても証拠をデッチ上げ無実の罪もついでにかぶってもらおうと働く検察側の悪事だったり、
そんな悪事が平気で溢れている…。


有罪か無罪か、そんなのどうでもいい。
恐れているのは…無実かどうか
無実だと見抜けないこと、俺がそこに気付けないことが何より恐ろしい
ーー人生を左右するのだから、俺はそこに気付かなければならない、それが仕事なんだから。
本編で記憶に残るセリフでした。
ミックなりの信念といいましょうか、正義感を持って闘う姿から学べることは多いはず。
エアール

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