花とみつばち

ラスト、コーションの花とみつばちのネタバレレビュー・内容・結末

ラスト、コーション(2007年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

この作品はみた後に引き摺ってしまった。
背景は、1942 年日本占領下の上海。
ここから前後3年程描かれ、香港も舞台となる。
大学で演劇をしていた仲間達。その中のクァンに感化され、抗日レジスタンス活動をするチアチー。
ここで疑問なのが、個人的に日本に怨みがある訳でも無いチアチー、愛国心だけで工作員になれるものなんだろうか?
そして、汪精衛の対日特務活動担当のイーを暗殺する為にチアチーは彼の愛人となって近づく。
イーは命を狙われる仕事をしているが、高官の奥様の心配事は麻雀とストッキング。
上手くイーはチアチーを気に入るが、最初に誘われる2-B の部屋でレイプ同然で関係を持つ二人。
そしてその後も激しい性描写が描かれる。この二人は結局からだだけの関係という事を意味するのだろうか?
イーは、チアチーを想い仕事が上の空だと言う。妻にもプレゼントしなかった鳩の卵の様な宝石をチアチーに贈る。
チアチーの方も、いつどこで気持ちが揺らいだのかがわからない。
宝石店で宝石を目の前にして急に工作員から女性になったのか?
「 逃げて 」と言ってしまう。
チアチーとクァンの間柄も微妙。
結局イーから仲間含めて当然チアチーは制裁を受けてしまう。
イーがチアチーに本気なら、あの「 逃げて 」をどう捉えるのだろうか?
本気でも時代的立場的に制裁を下すのかな?
所詮イーにとってチアチーは愛人。あのイーの立場なら愛人に宝石ぐらい贈って当たり前。
そしてチアチーも一瞬気が迷ったのか?それともどこかで本気に変わったのか?

いつも気になっていたチアチーの口紅の跡。カップやグラスに付いても拭わない。
結局、本物の工作員に成りきれなかった悲しい女の話しなんだろうな。
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