ひでやん

レインマンのひでやんのレビュー・感想・評価

レインマン(1988年製作の映画)
3.9
絶縁状態だった父が他界し、その遺産を目当てにする青年が自閉症の兄と旅をする事になるヒューマンドラマ。

自由奔放な弟には車と薔薇を、
金銭の観念がない兄には300万ドルを。

そんな遺言状に憤慨したチャーリーは、施設から強引に兄を連れ出し、困難な意思の疎通に苛立つ。自分勝手な彼に嫌悪感を覚えながら、重いテーマを自分に置き換えた。

朝食はパンか米か、飲食店で何を注文するか、どんな服を買うか、人にはそれぞれ好みによる偏りがあり、日常に各自のルーティンがある。

レイモンドはそれが極端であり、破られる事を嫌うだけ。その絶対的な習慣や拘りに対して理解が必要で、苛立ちながらも応えるチャーリーの姿が可笑しかった。

飛行機に乗れず、高速を走れず、パンツはどこで買っても同じだろと叫びながらUターン。決まった時間の決められた行動に振り回される弟と、サヴァン症候群による驚異の才能がテーマの重苦しさを和らげてくれた。

トム・クルーズはADHD(注意欠陥・多動性障害)とLD(学習障害)である事を告白している。難読症のため昔から台本が読めず、録音した台詞を聞きながら覚えているという。

そんな彼が、徐々に心を変化させるチャーリーを見事に演じた。匙を投げずに歩み寄り、打っても響かない心に打ち続けた言葉と行動。その蓄積が小さな「こだま」となって返ってくる終盤にじんときた。

ダンスの練習とおでこ合わせは名場面。
ダスティン・ホフマンは名演技だった。
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