Matsuzoh

レインマンのMatsuzohのレビュー・感想・評価

レインマン(1988年製作の映画)
4.7
最近「自閉症の世界」という本を読んで、大変面白かったんですが、その中の1章が「レインマン効果」で、ある自閉症者の母親をして「この映画が、私たち全員が25年かけて取り組んできた以上の成果をもたらしてくれた」(それだけ理解が広まるのに貢献した)と言わしめたのを見て、あらためて観ねば!と、30年近くぶりに観てみました

確か高校生の時に観てるんですけど、当時は自閉症について何の知識もなく、ほとんどよくわかってなかったと思う
断片的にしか覚えてなくて、新鮮に観られました

自閉症の方の感想を発見しましたが、http://autly.exblog.jp/7453303/
かなり実像に沿ってるみたいです

そして僕自身のそれ以降に知ったことからしても、リアルで正確なんだろうな、と思いました
しかし当時は、ただただ厄介だな・・・というトムクルーズの役に近い目線で観てたと思います

あるいは、道中で田舎町の精神科医に立ち寄るシーンがあって、そこでの反応がこの時代のリアルを物語っていて興味深かったです

しかしトムクルーズの役とは対照的なその彼女役の見事なまでに受容的な対応、素敵でした

一方トムクルーズの役の当初のいけ好かない態度、そりゃそんな素敵な彼女も、こちらは受容できないわ、と思いました

それにしてもダスティンホフマンの演技はすごい
「自閉症の世界」で知ったのは、彼がこの作品と出逢うはるか前に、演技のレッスンとオーディションの日々のかたわらで、さまざな仕事をする中で、精神医学研究所の看護助手をしていて、さまざまな患者と接することが演技の幅を広げることになったというくだり

いけ好かないトムクルーズの役の態度が変わっていくエピソードはじんわり覚えてましたが、やはり感動的ですね

自分自身の変化にも気づけて、よい視聴体験でした

音楽が先日観た「ダンケルク」のハンスジマーというのもこれまた発見。アカデミー作曲賞ノミネートの出世作だったんですね。
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