高橋早苗

レインマンの高橋早苗のレビュー・感想・評価

レインマン(1988年製作の映画)
4.0
絶縁状態だった父の死
遺言状から初めて知った 兄の存在


自分には
車一台と バラの木を

兄には 他のすべてが譲られる
と知った弟は
納得がいかない


「初めて」会った兄は自閉症
・・・外界と 変化を嫌う兄を
弟は連れ出す

300万ドルの半分は 自分にも権利がある
裁判に持ち込もうとする彼に
彼女は怒り呆れて 去っていく

おまけに
「飛行機嫌い」
「高速はイヤ」
「雨の日は外に出ない」
兄に付き合い
飛行機なら 三時間のところを
車で一週間の旅となる


兄は
意志の疎通こそ 思うにまかせないが
過去をちゃんと記憶している

やがて弟は
ずっと兄と離れ離れだった理由を知る
子供の頃 怖いことがあると
歌を歌ったレインマン・・・


☆☆★


「YASHA」の中で、
兄弟仲を羨み 自分も
そうなれるかなと 問う静に
もいっちゃんは

「それは無理だ」
とキッパリ返したね。

「100組の兄弟がいれば
 100通りの思い出と 物語があるんだ
 どの兄弟も同じことだよ
 それはどこにもない
 たったひとつの“物語”なんだから」


ここにも
「どこにもない」物語がある。
高橋早苗

高橋早苗