"愛に傷ついても死ぬことはない"
母親から激しく束縛される中年女性ピアニストと青年のラブストーリー、、、
孤独と異常な性愛を淡々と描いた奇妙な怪作。
ハネケなので純粋なラブストーリーな訳ないと思ってはいたが、想像以上に一筋縄ではいかない話だった。
普段は感情がなく厳格なエリカの隠された秘密を知らずに恋をする青年。
最初は気にも留めなかった彼女だが徐々に内に秘めた異常な狂気を露にし始める。
ジャケットにもなっているトイレのシーンは変態チックでとても印象的。
爆発するかのように欲望を解放させるエリカはまさに獣のよう。
しかしなんと言うか、これをただのイロモノで終わらせないところがハネケが巨匠たる所以なのかなと思った。
彼女の心の痛みを表したラストショットが脳裏に焼きつく。