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シンドラーのリストの曖昧さ回避のレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
3.2
はじめて観た!モノクロ映画←これしか前知識無かったのでスピルバーグ作であること1993年ということも今回初めて知る。

序盤はシニカルでどこか人間味ある風景を描いていて、タイプライターのオーディション風景はめちゃくちゃ笑った。いちばん好きな場面だよ。美女の顔面指数でシンドラーのにこにこ度が変化して女全員指一本でポチポチ押してんのと、ガチ本職ババアが咥えタバコでバチボコタイプしてる超優秀なのにオーディション落としてマジさあwwwwって笑ってもた。

戦争に乗じて金儲けするシンドラーさん

賄賂と人脈と威光全て使い放題

カリスマ経営者よろしく変わり者の超博愛主義者で非合理的な側面を嫌ってシャットアウトするのに、片腕のないおじいちゃんが惨殺された直後はガチガチにキレ散らかして男部にも従業員として深い愛情持ってんだな〜と思った。


ガード少尉が登場してから映画の質がピリッと変化したね。風邪引いてグジュグジュで、人員不足なのか最下級将校の若者が管理者として大抜擢。すぐにサディステックな面が現れてユダヤ人を惨殺し放題。ガード少尉の殺人癖の理由付けは制作側の人間観察眼が素晴らしい。ただの快楽殺人鬼にしなかったので作品に引き込まれた。

彼の心は戦争のせいで孤独になり狂った可愛げのある小悪党と見抜いたのはシンドラーさんで、この2人は似通ってて根幹は究極に違う部分があるんだなーって思った。この点については、2度目の視聴でおそらく感想は変わると思う。


パーティで安酒飲み散らかしてグデグデに酔って最後シンドラーさんしか残ってなくて、そこでなんかいい感じのこと言ったんだよな。

力をきちんと使えだったかな。
力に酔いしれる場合じゃなくて、人心把握の手段として慈愛とか許しとかを使えよ的な助言を受けてさーっと真顔に戻るガード少尉。


キリストの3本指を立てながら青年を赦した自分が鏡に映ってニヤニヤ笑って、狙撃して殺すシーンはキリスト文化で意味があるのかな。

聖書に疎いので私の限界解釈を述べると

精密射撃が得意だったけどガード少尉の内情で揺れ動くシンドラー的生き方が射撃に影響出て一発二発失敗し、スタスタ歩いてく青年。三発目でようやくヒットし倒れ込む。それを経理のおじさんは気にかけないようやはり収容所の日常を振る舞うように目も掛けずその場を後にする。


多数登場したユダヤ人の登場人物一人一人きちんとキャラクター性を描写しきって圧巻だった。



それからシンドラーの交渉術は映画史に残るんだろうなそんな気がする。もう30年以上前の作品なので語り継がれていることを願って今からネットに検索の旅に出かける。

殺戮シーンも市民目線でよく描かれていてたくさんの資料を読み込んでアウトプットしたんだなあと感じた。



以下は好み合わなかった点

ひとつひとつのシーンが長くて少しだれてしまった。赤い服の少女もアクセントが強くて趣味が合わなかった...。もう少し視聴者に委ねる作風だったら好みの映画だったのかな〜と思った。

とはいえ2度目の視聴で合わないと感じた部分もやはり構成上必要だったね!に意見変わるかもしれない。なんとなくだけど近いうちに再視聴したいそんな映画だった。
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