なちゅん

シンドラーのリストのなちゅんのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
4.3
この映画がもしカラーだったなら、名作であることは変わらずとも、他の戦争映画と並列に置かれることになったと思う。それだけモノクロであるということと、僅かな色の効果が高かった。

オスカー・シンドラーという人が善人なのかどうかは未だに何とも言えないけれど、彼が1100人ものユダヤ人を救ったというのは紛れもない事実であり、それはすなわちユダヤ人を1人残らず殲滅させると息巻いたナチスの明確な敗北を意味する。どんな思惑が最初にあったとしても、その事実は確かに語り継がれるべきで、称賛に値する。
感謝の印として渡された指輪と、「もっと救えたのにその努力をしなかった、1100人しか救えなかった」と咽び泣くシンドラーに涙。ただの1人も救おうとしなかった人たちがいる中で、1100人も救ったというのに。
もちろん、彼らだって救いたくてもできない事情があったのは十分理解できるし、救わなかったことが罪だというのではない。あの時代にユダヤ人を匿うリスクは並大抵の人間が背負えるものじゃない。それを罪に問うなら、ドイツと連盟関係にあった日本なんかもっと罪深いはずだ。

ものが理解できる年齢になってから見るのはいいな。昔見たときは幼すぎて、何一つ理解していなかったから。
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