最後に、かつてはナポレオンの妻ジョセフィーヌの愛人で、やがてはパオリーナを愛し、彼女から最も愛される軍人ジュール・ド・カノヴィル(Jules de CANOUVILLE, 1785-1812)。演じるのはアイルランド出身の早世の美男子スティーブン・ボイトだけど、見覚えがあると思ったら『ベンハー』や『ミクロの決死圏』に出てるあの人。ロッロとの組み合わせお最高。ウマが合うのよ。いや文字通り、馬がとりもつ仲。ユーモアがあって、笑わせてくれるし、アクションもある。でも、モスクワへ出兵するシーンなんて、涙なしには見られない。「いつもわたしが見送ってばかり。今度はわたしを見送って」と言いながら、部屋にもどって窓から見送ろうとするロッロ。ご存知のとおり、フランス軍はロシア戦線で散々な目にあうわけ。わかってるから胸にジンと来てしまう。