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1408号室のYSKのレビュー・感想・評価

1408号室(2007年製作の映画)
3.4
いわゆる「心霊スポット」を訪れてはその体験記を書くことを仕事にしている主人公のもとに、「なんとかホテルの1408号室にだけは行ってはいけない」というネタが投稿される
ホテルの対応に疑問をもった主人公が半ば無理やり宿泊を決める…というお話

元が数ページの短編小説を原作としているだけあってやや冗長的なシーンも多いですし、何よりあからさまなCG処理に辟易することも恐らく多いのではないかと思います
さらにいえばキリスト教あるいは天使と悪魔の存在に触れることが少なく、特に無神論者が多い日本ではその恐さが伝わりにくいであろうことが残念ですね
とはいえ私もキリスト教に明るいわけではありませんので非常にあやふやですが

ジャケット等ではW主演と見紛う扱いをされているサミュエル・L・ジャクソン演じる支配人も、出番こそほんの数分であるものの素晴らしい役どころを担っており、自ら地獄の釜の底へ沈もうとしている主人公を現世に食い止めるべく情に棹さし智を働かせ意地を通す良心のような存在でした、特にエレベーターをおりた主人公にかけた言葉が印象的です
まあ、無駄でしたがね

そして件の1408号室においても、支配人が言っていた「60分」が印象的に使われ、シックにあつらえられた素晴らしい部屋が、時間の経過とともに地獄へと変貌していく姿はとても素晴らしいかと思います

見ようによってはほんの狭い部屋で恐ろしい体験をするだけですから非常に面白みが感じられないとしても無理はないものの、愚かにも「神を信じない人間」が、神を信じないがゆえに救済を受けることなく地獄に落ちていく様をまざまざと見せつけられると考えると、なかなか恐ろしくていいお話だったと思います
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